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[コメント] わが故郷の歌(2002/イラン)

深刻な苦境にも、歌って笑い飛ばす強さが、胸を打つ。クルドの民はたくましい。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







イラン・イラク戦争の時代の話なので、「サダム」が主要キャストの名前より多く連呼される。

「♪ハナレ、ハナレ〜」と歌う彼らの歌は、最初はもっと退屈に感じるかと思ったが、冒頭から戦時下であっても、陽気に歌い、並んで踊るクルドの民は、それだけで元気をくれる。

現実は、想像以上に深刻だ。止まない爆撃、人々は死にゆき、山のように戦災孤児が残され、死んでゆく。

この戦争で当時のイラクを支援していたのが、アメリカなわけで、皮肉なもんだ。

ちょっとミルザもハナレも、結局何がしたいのかが、よく判らない部分があったから、この旅の意味を「無」にしてしまいかねないところが気がかりだが、映画として、「人々の描写。生活の描写」がすばらしく、たっぷり楽しめました。

トルコ、イラン、イラク、シリアにまたがる広大な「クルディスタン」。国土を持たないクルドの民に「真の平和」が訪れるのはいつのことになるのだろう。

(評価:★4)

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