ズンドコ節みたいな和田浩次の主題歌はじめ、始終音楽が鳴っている名調子で、旧家占有のファンキータッチはメキシカンロックのようで、ＦＡＮＫＹと綴りが間違っているのは意図的なんだろうか。「トランジスタ娘」ってのはテクノポップの先駆なセンスなんだろうか。ここでのフィルターの差し替えまくりも好き放題の印象で愉しい。可愛いスーちゃんと泣き別れで画面が歪みまくり。近藤宏は鳴門の滝に船毎沈み、最後は阿波踊り。清順らしく一貫して躁状態である。

ペンキ屋の子供たちが全員馬に乗れる出鱈目さ。電車止めちゃうのも本来は大犯罪だろう。私的ベストショットは冒頭の事故起こす車で、信号機のように色の変わる犬のぬいぐるみ。東恵美子の消火作業は凛々しく『非常線の女』を想わせる。清水まゆみもこれがデヴューの禰津良子も余り出番ない。何が愚連隊だったのだろう。東宝のヒット作の揶揄なのか。