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[コメント] 友引忌(2000/韓国)

アラを挙げればキリが無い。ティーンホラー風に激しい音楽を何度も垂れ流していたが、作品の雰囲気と合って居ない為、五月蝿いだけに終わるアホらしさ。 2004年7月17日劇場鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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見終わった直後は本当にやる気を失い、コメントを書く気なんて更々無かった。非常につまらない。

とりあえずオープニング。死体置き場で警備員が不審な音に気付き・・・と言う展開はアリガチで良くある演出法でありながら、怖がりの俺はビビってた(しかし、その後、警備員は死体の目を縫い合わせるが、伏線としても機能して居ないので、全く以って意味不明な行動で興醒め)。

その後にある、図書室で人形に襲われ、逃げ惑う主人公、と言うシーンはかなり怖かった。けど、例の如く、このシナリオに於いて主人公があの少女の怨霊に襲われる必要は無い(なぜならオチとして、最後の最後に怨霊は「これで一緒に居られる」と台詞を吐き捨てるからだ)。「やりたいシーン」をやるのは勝手だけど、それで物語りが破綻してしまうなんてただの間抜けだ。

結局、それ以降は同じ演出法でダラダラと恐怖演出をする為、怖いシーンなんて一つも無い。おまけに物語の作り方も無茶苦茶で、突然話が回想シーンに入ったりして、観客に揺さぶり(?)をかける。俺は普通に見ていて物語が突然変わってて戸惑ったぞ!!

個人的に、そこまで演出が下手とは思わない。単純に工夫して居ないだけだろうから、もっと怖く出来たはずと思う。しかし、この監督は無謀にも1時間半、同じ演出法で怖がらせ続ける。かなりの怖がりなら怖いかもしれないけど、大抵の客は直ぐに冷めてしまうんじゃないでしょうか?

後半の失速は、確かに演出のワンパターンさもあるかもしれないけど、一番の問題は脚本下手さだろう。

人物がバカ揃いとかなら構わないのだけど、怨霊となる少女のバックグラウンド等々を何も説明せずに適当に「不気味そうな」イメージを連続して見せる事に終始する。観客の想像力を刺激するだけ刺激して何も見せない見事な脚本。結果、見事に物語りに大穴が開いて説明不足となり、「怨念」という作品の核となる感情が全く描けて居ない、と言う事になってしまう。怖くねーんだよなぁ、それじゃ。

それから、あの後に怨霊となる少女の死亡だけど、アレってどうにか隠ぺい工作すれば事故として終わったんじゃないの?わざわざ死体をビルから放り投げなくても良かったじゃん。つーか、俺個人としてはあの少女が「自らのヒステリックな性格のお陰で自滅した」ってだけで、自業自得にしか見えなくて「いじめのお返し」という設定に説得力を微塵も感じなかったよ。

音楽演出はティーンホラー意識して激しい音楽垂れ流すけど、一応「怨霊」つー東洋的なモノが物語の核を成している以上、もっと不気味な雰囲気を演出すべき。やろうと思えば、無駄にディスコ(?)とかの若者が集う場所とかの描写を徹底的に避けてドロドロした空気を演出する事もできたはずだ。

全てが空回りした駄作。とりあえず、物語をきちんと見せるくらいはして欲しい。説明不足ならまだしも、いつの間にか回想シーンに切り替わっている、なんて強引すぎる。

ラストサマー』的物語。『キャリー』な『リング』『呪怨』の美少女(ホント美人だったね。幽霊になったらすげー怖い顔してたけど)が何と無く『エルム街の悪夢』風に復讐するけど、物語がメチャクチャで、どこからが現在で、どこからが回想なのか分からない、と言う『ソードフィッシュ』バリのミスディレクションが生まれた、つー話だろ?(因みに『呪怨』は本作より後発ですが)

エルム街の悪夢』との関連性はこの作品の英題「nightmare」から考えました。あっち未見なので。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)プロキオン14[*]

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