[コメント] 女学生記(1941/日)
戦中の色んな発見がある女学生生態集。眼鏡の凸ちゃん教室でネズミ退治。猫の鳴き真似。箒で叩き潰すと平たくなる。花で埋葬。チュウ子の墓。こういう気楽な映画、好きだなあ。音楽も気楽で素敵。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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兄貴と喧嘩する谷間小百合。母親の英百合子「女は男の云うことは聞いとくもんですよ」。矢口陽子はいつも寝坊で遅刻、「お嫁に行って困りますよ」と先生。『一番美しく』の真面目よりこちらが好ましい。ブルマに鉢巻して開墾と収穫作業。メスだと鑑定してもらって孵したニワトリから鶏冠が生えてきて弱った話。男の鬚は鶏冠ではないかと兄で確かめる谷間。谷間の設計した家の洋風な想像図は殆ど現代的。
山田五十鈴の千人針請け負うのは誰だろうか。男か女かどっちに産まれたかったか作文、女は昔なら厭だが今はいいという意見が読まれる。女性の意識は戦前でも明治とは違ってきていたのが確認できる。
修学旅行へ母のいない御舟京子を手紙で誘う谷間。汽船が下るものすごい大河が映るがどこなんだろう。不器用に慕われる御橋公の先生。本人は学校に三日しか行かなかった凸ちゃん、一晩ぐらい寝なくっても大丈夫と号令かけて茶話会。布団が喋る怪談を語る矢口。みんな夜の浜に出て戯れているのを見逃す先生たち。夏休み。転任して校長になる御橋。泣いちゃうみんな。勤労作業、お互いしっかりやろうねと先生は云うが、なぜか校庭の体操シーンで終。
戦時の情景は勤労奉仕と千人針で、庶民にとっての戦争はこのくらいの分量なんだろうと思わされる。情報局映画とは表記されない(フィルム欠落かも知れないけど)。「東発」マークの東京発声製作末期(すでに東宝配給)。
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