[コメント] ジーリ(2003/米)
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犯罪組織の上司から連邦検察官の弟を誘拐するよう命じられた男とその上司から別に雇われた女、誘拐された知的障害の青年の3人の共同生活を描いた映画。
ストーリー的にはラリーが組織の兄貴分のルイスから命じられて連邦検察官の弟ブライアンを誘拐するところからしてラリーとブライアンの誘拐犯と人質の壁を超えた交流を描くのかと思ったが、そこにルイスがブライアンの誘拐のために別に雇った女リッキーが絡むため、方向性のつかめない展開となり、最後まで何を描きたかったのかわからなかった。
最終的にラリーとリッキーの恋愛を描きたいのなら、誘拐したブライアンの存在が中途半端でもう少しラリーやリッキーに絡ませるべきだったように思う。またラストではブライアンに見せ場を作っているが、それまでの展開ではラリーとブライアンの交流がほとんど描かれないので印象に欠ける。そもそもこの作品のストーリーからすると、どうにもブライアンの存在意義が弱い感じで、彼をわざわざラリーやリッキー並に主役級として扱うのに無理があったように思う。
とはいえ、ラリーのいる犯罪組織の親玉の起訴を取り下げるために連邦検察官の弟である彼をを誘拐する展開からして、もともとはブライアンの必要性は高いわけで、そこに唐突に第三者であるリッキーを絡ませたことでバランスを悪くさせてしまった感が否めない。また、ブライアンの誘拐を描いたわりには、その後犯罪組織の親玉の状況や連邦検察官のブライアンの兄がどういう行動に出たのかが丸っきり描かれないのも不満。
それとラリーとニッキーにあまり恋愛関係に進展するような展開を作らなかったのなら、最後まで二人がカップルにならずに終わった方が潔くて返ってよかったように思う。
ストーリー的にはもっと評価を下げてもよかったが、それでもラリー役ベン・アフレックとリッキー役ジェニファー・ロペスとブライアン役のジャスティン・バーサの絡みは息が合っていてよかったし、序盤でのラリーとブライアンの口論をリッキーが止めるところも兄弟喧嘩を母親が叱っているのを観ているようで面白かったので、役者の演技を楽しむ点では標準な出来。
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