金城武は雲のジュウザ気取りだし、二枚目だったアンディ・ラウはいつの間にやらただのおっさんになっているし、本当にチャン・ツィイーしか見どころのない映画になってしまった。チャン・ツィイーのみで★3。二転三転する物語で観客の感情移入を拒否するのは別にいいのだが、最後の愁嘆場だけ感情移入してくださいというのは虫がよすぎる。通らないだろう、それは。いくらなんでも。

それなりに殺陣はあるものの凄いと唸るレベルでは決してなく、いいかげんCGを使うのはやめてほしいと思った。これはオレだけが感じている事かもしれないが、アクション映画の肝心なところでワイヤーを使うのは別に構わないのだけど、CGを使われると一気に気持ちがさめるのだ。宙にばらまいた豆くらい、普通にスローで撮れなかったのだろうか。画面上の全ての豆にピントがばっちり合っているので、CG或いは合成であることがまるわかりなのだ。何度か出てくる飛刀のカットも興ざめで、それはCG屋がただの絵描きであってカメラを知らないことが原因なのだろうけど、もう「嘘ですよ、この映画ぜんぶ嘘ですよ」と何度も何度も言われているようで、観ているこっちはたいへん辛いのである。あれだけ美術や衣装に凝る監督が、CGに対してなぜこうも鈍感でいられるのだろうか。下手なCGなんかより1秒でも長くチャン・ツィイーを見せろっちゅう話ですよ。