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[コメント] スウィングガールズ(2004/日)

ウォーターボーイズの二番煎じなんて指摘は野暮も野暮。(ラストに言及につき未見の人注意)
てれぐのしす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







演奏を終え、大歓声の中感無量の友子が見せる最高の笑顔をストップモーションにして映画は終わる。

スクール・オブ・ロックみたいにその後の描写なんか一切ない。そしておそらくスウィングガールズは、この舞台が頂点であり、この後一人抜け、二人抜け、新しい子が入ることはあっても、このときの情熱と一体感を維持することはできないだろう。だがそれでいいのだ。それぞれ好き勝手な感情と本能だけの「無邪気な動物」であるこの時期の少女たちが、まるで最小公倍数のようにシンクロしてスウィングした瞬間を切り取ったのがこの映画なのだ。

伊丹先生(無神経さが白石美帆にハマリ役だ)に吹奏楽部が復帰した事を告げられ、泣きながら分裂して、残された5人の奮闘がなんとも健気で、しかも悲壮感なくどこか可笑しいのだ。歩行者用信号でシンコペーションを初めて理解した嬉しさから、それ以来バスガイドの笛に合わせて、団地の奥さんの布団を叩くリズムに合わせて5人がステップを踏むシーンなんか最高である。

とにかく16名の少女たちが(セリフのほとんどない端役の子も含めて)一人残らず味のある一瞬を見せる映画に、おぢさんはお小遣いあげたくなってしまいました。

あ、それから付け加えると全員セーラー服だけど、そっち方面の「萌え」目当ての人は見ない方がいいです。監督はその要素だけは徹底的に排除しましたから。あれで萌えられる剛の者には何も言うまい。前進あるのみです。

(評価:★4)

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