[コメント] 十三通目の手紙(2003/日)
説教臭くて愚痴っぽく、薀蓄屋でその上ちょっと涙もろいという、紛うことなき親父映画。
篠田三郎以下貫禄で魅せるベテラン勢や、原作舞台からの引継ぎと思われる無名演劇人の過剰演技の中に、ぽつんと投げ込まれたウルトラマン俳優・高原知秀の呆れかえるほどの棒読み大根芝居。その異物感は、探偵というやや非現実的な存在の乱入に対して我々が抱くであろう違和感と奇妙なシンクロを見せ、意外や意外、けっこう心地よかったりする。これが企画演出面での最良点。
亀田幸則の推理脚本は、オリジナルにしては良く書けていて、個別で見ればはっとするよう見事なトリックもあるのだけれど、それらの連結がどうにも拙い。推理が行き詰るたびに、登場人物たちが失念していた重要事を小出しに小出しに思い出していくというのは、ご都合主義が過ぎるというものだ。まぁ、名作と呼ばれる推理小説の中にも、そういうのは幾らでもあるんだけど。
回想シーンもいらなかったかなぁ・・・。フックにはなってるけど、それに頼っちまようじゃ舞台演出家失格だろ?
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