[コメント] コラテラル(2004/米)
トム=クルーズがやるといつも、どうも監督の意図が判らない映画になるんだよなあ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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いつもながら喜怒哀楽のないマスクから人情が滲み出るトム=クルーズであった。彼に才能の上でも、メンタルの上でもプロになり切れない殺し屋を演らせたのは正直巧い。クルーズは本当に自分の使い方をよく心得ていると思う(注:真面目な意味で言ってます)。しかし、彼が演るとどうも監督の「本当にやりたかった事」が何なのか判らなくなる事が多い。
定石から言えば、この映画はクールに纏めるべき主題である。ヴィンセントとマックスは微かな交流はありながらも幾度と無く過酷な現実に引き戻され、最後は虚しく冷徹に終わる。70年代〜80年代テイストであれば、最後は観客が安心した処でマックスが犯人と誤認されて射殺されるべきなのではないか。市警の麻薬捜査官も、普通の映画ならマフィアとつるんでそうなものだ。主人公(ジェイミー=フォックス)を始めとして、マン監督は登場人物をみんな血の通った人間にした為に(最後までしたかった為に)、結末をクールに決める事がどうしても出来なかったように見えた。丸で真正面にいるド素人のマックスが自分を撃ったのに彼を仕留める事が出来なかったヴィンセントの様に…。
都会という冷たい河では、ヒトとヒトが触れ逢う時間はお互いを知るのに余りに短いという事か。
蛇足) クルーズはあの椅子でコケて捻挫したのではないか。彼の役者魂にはいつも感心するよ。
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