[コメント] 情炎(1967/日)
電車、駅、海、日本家屋、廃墟、横顔。ある時は斜めに鋭い線を入れ、またある時は極端な仰角・俯角から、或いはガラス窓越しに空間を切り取っていく。それらを補強する金宇満司と海野義雄の硬質な映像。特異なミザンセヌそれ自体には興奮しない、が、吉田喜重の映画の視点は映画の機能に溶け込んでいる、確固たる映画美学があると感じるに足る快楽を味わわせてくれる。岡田茉莉子の美しさも絶品。中期の充実作。
(赤い戦車)
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