ソフィーは、みたとこ、かわいらしいお嬢さんだった。それでも、ママに似て美人の妹と比べると（私たちから見ると、ケバいのだが）とりあえず、注目されない存在なのだったとあとでわかるのだった。だけど、ハウルに一目惚れしていることを妹に指摘されて、なんだか幸せそうなソフィーがとてもいい。

荒地の魔女の魔法で、おばあさんに変えられてしまったら、気持ちもおばあさんになっているところがすごい。「その服、今のほうが似合ってるよ」って、ああ、こらこら、そんなことないのに。

ハウルがつぶやく、「美しくなければ生きている意味がない！」。おー、ひどいなと思ったのだが、心臓を担保に悪魔と取引したことをあとでわかると、ああなるほどと。心をなくすってこういうことかと思ったりして。

ハウルが魔法学校の出身だったりするところは、吹き出しましたけどね。魔法使いといっても人間なんだなーと。つまり、荒地の魔女は、長年反則を犯し続けてきて現在に至ったというわけか。全体的に説明不足なのだけど、終わるころになってようやく全体が見えてくるマッタリ感と、ハウルと、ソフィーはどうなるの？っていうドキドキ感が不思議にマッチ。

八方丸く収まって、めでたしめでたしっていうところが好き。これを実写でやってみてもぜんぜん面白くなさそうってところがアニメのすばらしさなんだなと、妙に納得して、しかも気分よく帰れたし、あたしにはいいお年玉だった。てなことで、誰にも内緒で、もう一回観たい名作かも。

ひとつだけ、あの、男の子はみんなおかっぱなのが気になったんですけどね（笑）。