[コメント] ビフォア・サンセット(2004/米)
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『恋人までの距離<ディスタンス>』の続編。前作との大きな違いはリアルな時間経過にある。前作よりも限られた時間の中、二人の時間は刻々とすぎていく…。
臨場感溢れる85分。書店で再会した二人が最初に目の合った瞬間から、自分はこの作品に吸い込まれるかのようだった。あたかも自分がパリの街を散歩しているかのような錯覚に襲われる。ジェシーの視点、セリーヌの視点、それを同時に体験できてしまう。自分にとってセリーヌは異性だが、なぜか彼女の気持ちを読み取れるかのような感覚さえする。
ダイアローグが良すぎるから?パリの舞台が後押ししている?きっと全ての要素が生き生きとしているからだろう。リンクレイターは勿論、イーサン・ホークとジュリー・デルピーの脚本だってかなり興味深いものだ。デルピーの美声だって最高の余韻を生み出してくれる。
前作では夜が明けるまでの14時間を共にすごした。そして本作ではわずか80分たらずである。即ち彼らは14時間と80分の仲なのだ。
9年間の月日が長いのか短いのか、二人が結ばれるのか結ばれないのか、そんなことはおそらく二の次でいいのだ。一番大切なのは「あの夜と今現在、二人が共有している時間」にある。それだけだと思う。
今のところ彼らの行方は彼らにしかわからない。しかしきっとリンクレイターをはじめとするクリエイター達が、何年後かは分からないが、この作品と同じようにさりげなく続編として教えてくれるはず。
想像を膨らませながら気長に待とう。
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