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[コメント] 酔画仙(2002/韓国)

無理に盛り上げようとしない淡々とした語り口は悪くないけど、いかんせん、短すぎてエピソードの解説だけに終わっているカットが多すぎる。チェ・ミンシクの熱演を始め、丁寧な時代背景の描写、見事なロケ、と素晴らしい要素が多いだけに残念。
ぐるぐる

「酒と女」よりも「変わり行く時代の民衆と政治」みたいな要素が強く出ているのが好悪の分かれ目かも。そのあたりのアプローチからして、ちょっと真面目すぎるというか、肩に力の入った堅さがある気がした。

たとえば音楽にしても、基本的にはかなり抑えた使い方なんだけど、それにしてはしばしばうるさいと感じる部分もあった。つまり、この監督は意識的な部分では抑制した語法を用いるだけの戦略があるんだけど、どうも根幹のところでは「解説的」になってしまう饒舌さがある気がする。つか、一緒に酒でも飲んだら「だからね、キミィ。ワカラナイカナ〜」と延々絡まれて大変なことになりそうな感じw

「わかって欲しい」という想いが、いつの間にか「わからせようとする」ことになってしまう危険というのがあるんじゃなかろうか。それが映画に不必要な重苦しさを与えてしまう。「わからせようとするのは、下司だ」という小津の言葉を思い出す。

(評価:★3)

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