[コメント] ブルーベルベット(1986/米)
日常から徐々に外れて見せられる不条理な世界。そこはとんでもなくドロドロした場所である。だが、そこはなぜか居心地が良く、不思議な感覚を憶える。
オープニングの「ブルーベルベット」、そして「人間の耳を拾う」と言う誰も思いつかないような掴みのストーリーでリンチワールドに引き込まれた。暴力、犯罪、SM、セックス。とにかく普通の映画であったのなら嫌悪感が付きまとうような内容だ。だが異世界のような不思議な雰囲気を持つこの映画ではそれらの要素も美しく見えてしまう。
ジェフリーがクローゼットの中からドロシーの姿を覗いたように、俺達もこの世界をリンチの創り上げた映像から覗いたような感覚だ。だからこそ恐ろしさも感じない。そして根底に流れる「愛」があったからこそこの映画は美しく、そしてエロティックに胸に刻まれる。
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