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[コメント] きみに読む物語(2004/米)

アメリカン・カントリーライク・ピュア・ラブストーリー。 2005年2月20日劇場鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「きみ読む」と略されて宣伝されていた本作。狙いは勿論「せかちゅー」こと『世界の中心で愛を叫ぶ』(と「冬ソナ」こと「冬のソナタ」)より爆発的に勢いで生まれた純愛@略しブームの便乗だろう。俺は特に何も期待せずに見に行ったのだけど、コレ、『世界の中心で愛を叫ぶ』等の純愛と同様に考えて見に来ると少々肩透かしを食らう事は間違いないだろう。だってコレ、モロアメリカ的なラブストーリーじゃないですか。当にカルチャーショック(でも無いけど)。

青年期のラブストーリーの軽さと陳腐さは、当に若さの象徴であって、本当に一夏の恋程度の物語。非常に単調で軽薄で低脳なラブストーリーが展開される。勿論俺自身が低脳だから、その低脳なラブストーリーには拍手喝さいで見ている訳で、ケンカ別れした後急にキスして仲直りする描写に思わず涙を流すのであります。うーん、純愛。

っていうか個人的に一番泣けたのは、ライアン・ゴスリングが恋人の家で、自らの家庭(貧しい教養のない田舎者)をバカにされ、トラックで飛び出すシーン。あのシーンで、女の子が「いつものケンカよね!?そうよね!?」と言う所で、俺は涙ボロボロだった訳であります(コレで記憶違ってたら情けねぇなぁ・恥)

そうだよね、好きなのに別れる、って本当に辛いんだよね。そうなんだよね(意味不明

一夏の恋はやがて思い出と変わる。その思い出は永遠に胸の中で生き続ける。楽しい思いでも、悲しい重いでも、別れの辛ささえも・・・当時、別れる時に感じた耐え難い辛さは、数年後にはビール片手に語る思い出へと昇華してしまう。

おいおい、そんなの嫌だよ!ってんで365日、毎日手紙を書く。書く。書く。ち、ちくしょう。な、泣けるじゃねぇか、バカ!こんな陳腐な設定誰が今時やんだよバカ。俺の胸にクリティカルヒットだよ、この野郎!

ヒロインの尻軽さや、田舎の教養の無い青年、家を自分で改築する、等々何ともアメリカンカントリーな臭いが漂ってくる設定は、恐らく見事にアメリカ人のハートをヴィヴィッドに刺激した事だろう。勿論、単細胞の俺のハートにもクリティカルヒットしている訳だが。

ホント、何とも芸の無い映画だこと。いや、でも、それがここまで上手く作用してる、て本当に奇跡じゃない?

ラスト、例のnotebookは、実はノアが書いた物ではなく、実は、彼女自身がノアに宛てて書いた物語、と言うオチがあまりに痛烈な皮肉で泣けてしまう。当の本人がノアによって思い出させてもらっている、と言う立場の逆転。

数分間、取り戻される記憶のために献身的に女性に尽くすノアの姿は、確かに純愛。うん。青年期の物語は非常にアメリカンではあるが、老年期の二人の物語は非常に普遍的な愛の物語だろう。

ノアは何も持って居ない。人を愛するって事に何も要らないんだわね。くぅ、泣けるぜ。

冒頭、少々あざとく感じるほど長く感じたオープニングだが、実に優雅で美しい。作品全体を通して、撮影が上手くて関心。こんな安易で軽薄な物語でありながら、コレだけの長尺を耐えうると言うのも監督の力量持っての事だろう。素晴らしい。

余談だけど、アメリカの田舎町の青年、しかも第二次世界大戦の時代だから1940年代?その当時の教養の無い若者が手紙を書けたのか・・・・?

――と、思ったのだけど、考えてみればノアは詩の朗読を滑舌を良くする練習として行っていましたね。コレって、ノアが愛の言葉を囁くのが上手い事、ノアが字を読み書きできる事の伏線だよな?コレが伏線だとしたらすげぇ・・・・

あ、あとどこの配給会社だったか忘れたけど、「映画館限定」とか言うて訳の分からん公害垂れ流すなヴォケ。「映画館限定」って言うのは映画館までわざわざ脚を運んで高い金払って見に来た客に対する嫌がらせか?客ナメてんじゃねーよバカ。

ケミストリーに罪が無い事は分かっている。分かっているけど、ケミストリーも一緒にブーイング大賞。

ついでにもう一つ余談だが、ノアの青年期役をやっているライアン・ゴスリングですが『タイタンズを忘れない』の時とは顔が同じ感じですが、『完全犯罪クラブ』と『16歳の合衆国』の時とは顔たちが随分違う気がしましたが、アナタ、もしかして顔面魔術師ですか?(謎

(評価:★3)

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