[コメント] プリティ・プリンセス2 ロイヤル・ウェディング(2004/米)
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ディズニー映画だからといって、毒を入れてはいけない訳ではなかろうに。なのに、善人が多すぎて、ちょっと「白々しい」と思えたのは確か。たとえばリリーあたりにもっと毒舌を吐かせてもよかっただろうに。11歳のダンスを途中で変わった男の子(結婚相手として写真にもでてた)がもっとわがままをいって、引っ掻きまわすとか。あの悪役のオッサン一人だけでは足りない(それもバカな道化だし)。
だから、しまりがない。スパイスが足りない。メリハリがついてない。ニコラスという役ひとつをとっても、中途半端。たとえば、ミアの代わりの王位継承者を別に一人設定して、ニコラスをSPにするだけで(っていう設定もありふれてるんだけど)、ずいぶん判りやすくなるんだけど。そもそも「結婚相手」としてアンドリューという男を登場させたのはわかるけど、「恋の相手」は、できれば貴族とかじゃなく、「ちゃんと働く男」にしてほしかった。それが「ミア流」だと思うんだけど。
毒がないのはアンドリューという男もだ。実際のところ、いい「あて馬」だ。面子丸つぶれな訳だし、『メラニーは行く!』のように親が逆上しても不思議ではないのに、家族そろってお人よしだこと。こういうラブコメディにおける「結婚式を前にした主人公」に別に好きな人がいる場合、「結果としてフラれる人」は、「物わかりのいいお人よし」にするか、「他に好きな人がいた」とか「悪いことをしていた」とか「浮気をしていた」とかの「悪いヤツ」にしなければ、映画にならないわけで、これでたとえば国際問題とかに発展して、ジェノビアは経済封鎖されるとか、あるいは結婚式の場で、アンドリューがミアを罵倒するとかいう展開には絶対ならない。
ジュリー・アンドリュースは存在感ありました。この人には「毒」は似合わないので、女王さまはコレでOKです。もうすこしミアに厳しくしないといけないのと、議会の場でも、もうすこし威厳を発揮してもらわねば、ジェノビアに未来はないかも。(「歌」はお約束。「自身の結婚」のシーンはもっと感動的な演出を入れてもよかったのでは。たとえばミアがインカムを通じてジョーに女王の手をとるようにけしかけて、そのまま祭壇へ連れて行き、ジョーからプロポーズをさせるほうのが、ドラマチックだと思うんですが)。
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