[コメント] ローレライ(2005/日)
せっかく第2次大戦を舞台にしたなら、戦時下の「お国のため」とか「滅私」とかいう観念をしっかり描いたほうがよかったんじゃないだろうか?
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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そのほうが「あくまでも生きぬけ」と主張する絹見のキャラが立つし、浅倉が東京(つまり皇居)に原爆を落そうとするのも「国体の壊滅」という含みのほうがわかりやすかったように思う。
「お国のために」という時代感を描いておけば、彼らが最終的に出撃を決意する際の、その目指すものも明確になったのではないか? 最初は言われるがまま、当たり前のこととして戦っていた兵隊が、最終的に自らの意志でもって多くの人命を救う為に戦った。それは同じ「国のため」ではあっても、まず「国家ありき」という考えから、人間ありきの国家という転換と見て取れるだろうし、兵隊たちが最初思っていた「国のために死ぬ」ということが、徐々に絹見の真意を理解するにいたり、一旦は未来へ生きぬく意味を自覚する。そのうえで改めて最後に「命を賭して国を守る」という決意の上で出撃する流れのほうが燃えるように思う。自ら無機質な兵器であろうとしたパウラが、ここで「初めて」笑みを浮かべながらローレライに乗り込むという画も萌えると思うんだけど。
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