[コメント] ブレードランナー(1982/米)
ご多分に漏れず続篇公開に備えて見返したところ、ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン『ブラッド・シンプル』がこの映画の強い影響の下に撮られていたことを今更ながらに諒解する。M・エメット・ウォルシュのディテクティブとしての起用。終盤の対決シーンにおいて室内に差す線状の光と「壁」演出。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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それらは、後発であり、そもそもリドリー・スコットより才能に恵まれてもいるコーエン兄弟のほうが巧みに仕遂げているのだけれども。
なぜかむやみに雨が降っている。なぜかそこかしこに蒸気が立ち込めている。なぜかいつも夜。すでに云い尽くされたことだが、そのような世界の創造が発明だったのだろう。あるいは発明というよりフィルムノワールなりハードボイルドなりの継承という側面を強調すべきなのかもしれない。ハリソン・フォードがよれよれになりながらも(その実、よくよく考えると)捜査は大した苦労もなくとんとん拍子で進んでいる、という作劇感覚は確かに由緒正しき(卑しき?)三文小説的探偵物語だ。だからファムファタルとしての造型を強化せよ、と云いたいわけでもないが、ショーン・ヤングが私にはまったく訴求しないのは厳しいところだ。しかし「主人公がなぜか魅力的でもない女にどうしようもなく惹かれてしまう」それはそれで様式美ではある。
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