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[コメント] アビエイター(2004/米=日=独)

ハリウッド製大作伝記映画にありがちなストーリーの支離滅裂さが、ハワード・ヒューズという人物の極端性、スケールの大きさを備えた掴み所のない強烈な個性を描く上では良い方向に働いているように思えた。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







例えば、少年時代からの潔癖症、強迫性神経症が、彼の人格や人生にどのような影響を与えたのか、説明的に描くような演出は一切取っ払われている。しかし、おそらくそんな説明をちまちまやっていたらハワード・ヒューズという稀代の変人を描くことなんてできなかっただろう。この訳わからなさが却って功を奏していたように思う。

そして、このハワード・ヒューズ像に生命を吹き込んだのは、レオナルド・ディカプリオの熱演あってこそ。ただ、彼特有の「線の細さ」は今回も払拭できなかったような。まあそれはそれで一つのヒューズ像を形成しているとは思うが。

とにかく、自ら操縦桿を握り大空へ飛翔するかと思えば、神経症の深みへとどっぷり沈み込む、この両極端のコントラストがそれぞれのシーンを印象づけ、ここにスポットを当てたことでこの映画は成功しているように思った。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ロープブレーク[*] ゆーこ and One thing[*] Myurakz[*]

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