[コメント] アビエイター(2004/米=日=独)
スペクタクル造型家としての側面がここまで全開にされたのはスコセッシのキャリアでも初めてではないか。厳しい制約の下で真価を発揮するタイプの作家であるという認識こそ変わらないが、彼に大きな予算を与えることも決して無駄ではないという思いは『ギャング・オブ・ニューヨーク』以上に強く覚える。
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映画を見終った人むけのレビューです。
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と、ここで「スペクタクル造型」という語で特に指そうとしているのは、云うまでもなく、まず『地獄の天使』撮影における数十の飛行機と後半部での飛行機墜落カットである。とりわけ前者は「アクション演出に関しては鈍重」というスコセッシの印象を覆すだけの冴えわたった画面さばきが認められる。本当に凄いカット群だ。
ケイト・ブランシェットにキャサリン・ヘップバーンを演じさせるというのにも目から鱗が落ちますね。あら、ブランシェットさんてヘップバーンさんに似てらっしゃいますね〜なんて前々から云われていたのだろうか。下品と見る人もいるだろうけれども、特にゴルフ場シーンで披露されるコメディ・センスなんかはやっぱり大したものだ。「映画撮影の映画」好き&「ドン・キホーテ型人間」好きという私の個人的嗜好はあるにしても、『地獄の天使』撮影シーンを中心としてブランシェットが退場するまではスコセッシの中でも最も愛すべき映画になりえているとさえ思う。
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