[コメント] チャイナタウン(1974/米)
この映画のファッション性に魅力を感じます。
ニコルソン扮する探偵のファツション、ダナウェイ扮する謎の女性のファッション。いずれもかっこいいですもんね。
でもこのジーンとくる感情は音楽にあると思う。チャイナタウンというタイトルに符号するものは音楽以外何もありません。30年代のチャイナタウンを描いているにもかかわらず、いわゆる中国人はドラマと無関係です。なのに、このラスト、この映画の全てを象徴するようなラスト、このシーンだけがこの映画の全てを浮き彫りにする。
ギデスは探偵という職業上のプライドと惰性で徹底した仕事をする男です。その彼が1対1で対峙する人物達。女、刑事主任、地元実力者、あらゆる人物が最後の最後に一同に会します。このラストの見事な演出、そしてゴールドスミスの印象深いあのメロディー。暗闇に去って行く人々、愛する者、去る者、その心と現実が反比例し葛藤しながら静かに消えて行く暗い街の闇。これほど印象に残るシーンがあるものでしょうか。
ポランスキーはアメリカを去ってタッチがヨーロッパ風になりました。ここでコメントされている方も言われる通り、やや長いと感じるかもしれません。でもそれは意図的ですね。大島渚が『マックス・モン・アムール』を撮った時もそう思いました。リズムですね。日本、アメリカ、そしてフランスではリズムが異なりますね。ポランスキーはハリウッドにフランス調を導入したんですね。
これは私生涯の大切な映画なんですね。小学生の頃ですかね。叔母と銀座で見た頃を忘れません。叔母も叔母ですね。近親相姦の映画をよくぞ小学生に見せてくれました。変態です。見事な変態だと思います。
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