[コメント] レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語(2004/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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「彼らの話をろくに聞こうとせず、助けてくれという叫びにもまったく応じなかった君たちだって俺と同罪」
本筋の謎ときを中途半端に追わせるくらいなら、いっそこのキモ(のひとつ)についてもっと掘り下げてもらいたかったなぁ。だって、だからこそ「世にも不幸せな」とゆーか、子どもにとって「世は不幸せな」ことばっかりだったりするわけじゃん?
誰でもいいから、ひとりでもいいからちゃんと受け止めてくれる大人が周囲にいれば、どんなに不幸せな状況だろうとそれなりにやってゆけることはたくさんあると思うんだよね。
たとえ大人に比べていろんなことで非力だったり困難だったりしたとしても、子どもには子どもなりの勇気も知恵もあるんだし。そもそもこの世に生まれて来られた以上、そこまで弱っちいわけなんてないはずだし。それだけでもすでに生来の強さを持ちあわせているはずだし。みたいな。だからこそ相手が子どもだからと馬鹿にしたりせず、信頼して、それぞれが一個人であるということを認識したうえでちゃんと向き合ってほしい。みたいな。
つまりいちばん大切なのは、「ひととして認めてもらえているかどうか」ということなんじゃないか。そういう存在がひとりでもそばにいるかどうかということなんじゃないか。
「発明(発想)の才能」とか「本で得た知識」とか「頑強なあご(肉体)」ももちろん大切で、そりゃー、ないにこしたことはないけど。でもこの映画が訴えているのは「そーゆー才能とか知識とか肉体とかがあるとよいよ」ということではなくて(だってそんなこと主役の三人はとっくに自覚してる)、「でもそれだけじゃだめなんだよ!」ということなんだよね、きっと。そしてその「それだけじゃだめ!」ということに気付くべきは大人であって、決して子どもじゃないんだよね…。
だからこそこの映画は、ある意味「本当は大人に見てほしい映画」だったのかも。とも思う(なのにターゲットやそれぞれの層に向けたテーマがばらばらであやふやなので失敗してしまった映画なのではないか、と思う)。
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