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[コメント] スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐(2005/米)

スターウォーズ』新トリロジーにおいて、初めて面白いと思い、★1以外の点数をつけた作品なわけだが。
JKF

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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この作品を観た時点ではクラシックトリロジーは全部★1である。小学生の頃に観て全然面白くなかったから。キャラクター造型が気に入らなかったし、アクションにも興奮しなかった。それに俺にとって記憶の新しいEP1、EP2が駄作だから余計に印象が悪くなっているのだと思う。だが、この『シスの復讐』を観た今(2006.2)となっては果たして本当に★1に値する作品なのか自分でもよく分からない。

物語前半は冗長で、ヒコーキみたいなのがビュンビュン飛び回る相変わらずの戦闘シーン。映像博覧会ですかそうですか。アナキンダークサイド転落の理由は結局よく分からなかった。だが、ダースベイダーのテーマが流れ、物語の方向性が『エピソード4』の始まりへと完全に定められたとき、クラシックトリロジーの偉大性を、思い入れがないが故の客観的な視点から感じた。

よく考えて見れば、誰もが分かっている物語の前章としてこの新三部作が作られた。話によれば旧三部作のファンで、この新三部作に失望させられた人々の数も極めて多いという。それはやはり、『ファントム・メナス』と『クローンの攻撃』が物語として語られる意味は皆無だったことにあると思う。だが、今回初めて、ストーリーが大きく動き出した。そしてそれは避けられぬ運命であると誰もが知るオビ=ワンとアナキンの対決、大きな戦争を導く。数々のシーンは必然的にエモーショナルなものになっていて、ルーカス自身撮影しながら興奮してただろうなーという印象を抱いた。やはり物語やシーンが明確な意味を持ってくると、やはり映画は面白くなるものだ。

EP3の後半に到達してようやく、このシーンのために新三部作の存在があったのか、と分かった。凝ったCGの映像から、「何でこんなにアナログなんだ!」と突っ込みたくなるダース・ベイダーの姿へと場面が転換したとき、どれほど多くの人が感動したのだろうか?今現在、製作の噂はあってもまったく話が具体化しない『ホビットの冒険』で、再びあの『ロード・オブ・ザ・リング』を怖いながらもやっぱり観たい俺としてはこの気持ちが分かる。

ルーカスが旧三部作の前日談までもわざわざ三部作にしたのはやはり金儲けの狙いはあっただろう。だが、そんな作品であろうと意味を持つべきシーンには理屈を抜きにした面白さがあるのだと感じた。俺がそんな後半部分に興奮し感心を抱いたのは、長い年月の間に築き上げられたこの伝説の大きさ、そしてその大きさを三十年近くかけて味わい、感激している人に対する羨みだったのかもしれない。

何はともあれ旧三部作をしっかり観てみたくなった。

それから余談だが、ナタリー・ポートマンの扱いが回を追うごとにひどくなったのは如何なものかと。

(評価:★3)

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