[コメント] オープン・ウォーター(2003/米)
なんという海の恐怖。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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海のど真ん中で一組のカップルがばしゃばしゃしているだけの映画なのだが、これほど海の恐怖を感じさせるものはなかったのではないか。
なんといっても見渡す限り水平線しかない海の中で、ボンベなどはあってもほとんど生身だけでいる人間のあまりの小ささを突きつけられ、それだけでも「なんと人間は小さな存在であることか」と思い知らされる。この小ささでは、遠くに時たま見える船影がまったく気がつかないのは当たり前ではないか。
そして同時に、海は人間に比してあまりに巨大・広大であるにもかかわらず、そこには実に多くの生命が存在しているということ。そしてそれだけ多種多様な生命体に囲まれているにもかかわらず、それらが人間とはまったく異なる生命であるが故に、人間の孤独さがますます浮き彫りになる。
生身で海に投げ出されてしまえばサメはおろか、クラゲや小魚でさえも脅威となるというその現実。
まさに人間の小ささ、孤独さ、無力さを、生々しく描いた映画といえるのではないか。
時たま入るうなり声のようなBGMや南の島ののどかな光景など、それほど効果的とは思えない稚拙さもあったようにもみえたが、自然と人間、あるいは地表の大部分を占める海を通じて、人間と地球とのかかわりを描いた、意外に深遠な映画ともいえるのではないだろうか。
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