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[コメント] 兵隊やくざ 殴り込み(1967/日)

軍旗と仁義とスカトロジー。
町田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







そうして戦争は終わった。

終戦を知り、北満の地平線を行く二人。

ここまで観てきたのだから感動せぬわけがない。

脚本に名を連ねる東條正年は、殆ど無名な人物であるが、後に勝プロで手掛けた『新・兵隊やくざ』と合わせて観る限り、相当のスカトロマニアであるようだ。序盤の腹下しから始まって、肥溜め、便所汲み取りと、都合三つもそれ絡みのエピソードがある。

彼が川島雄三やらP・P・パゾリーニと云った天才の影響下にあるのかどうかまでは判りかねるが、いずれにせよ神聖なる権威=軍旗と対比するに、それは持って来いの「ツール」であることに変わりはない。それがあるからこそ、「少尉の軍旗」に備わる馬鹿馬鹿しさと高潔さが、強調されたのである。いやはや全く以って間違っていない。

ただ「殴りこみ」のシーンだけは、余りに荒唐無稽で、何か別の映画を観ているかのような錯覚に襲われた。位置関係など細部が決定的に弱いし、大宮が母子を助けるシーンも余計だった。ここを、笠原良三が書いたと云うことだろうか。

(評価:★4)

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