[コメント] ヘンリー五世(1945/英)
面白いのはもっぱら原作の、シェークスピアらしいいつもの長広舌。「戦争で切られた手足や首が、審判の日に集まって王を呼び出すだろう」
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
いや、冒頭のグローブ座の再現はとても面白い。従卒がメモを床にばら撒いてしまうギャグなど、脚本にはない演出の領分であり、当時の風俗を彷彿とさせて愉快。創意と工夫でもってこれで全編通したら物凄いものになっていただろう。戦争場面など、当時としては優れものだったらしいが今観ると地味。舞台中継をもっと見せてほしかったと思った。
王と知らずに王を揶揄する家来たちの、コメントの場面に続いて王は抗弁する。「親の指示で行商に出た商人の息子が、舟が沈んで死んだ場合、息子の死は親の責任だというのか。兵士の死に関して王に責任はない。王に仕えるのが義務でも、魂は自分のもの」ああなるほどなあと思うが、よく考えればこれは詭弁である。ともあれ、好戦なのか厭戦なのか解釈が分かれるといわれる『ヘンリー五世』、映画はこの件以外は殆ど好戦に終始する。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。