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[コメント] メゾン・ド・ヒミコ(2005/日)

久々に「映画」であることをちゃんと意識した日本映画を見たような気がする。大画面で映えるカットとかよく練られた布石とか。ちょっとオーバーめの演出も含めて愛らしい作品であると思う。が、ゆえに惜しいなあと思うところ。それは柴崎コウ扮する娘の子供っぽさだったりする。
ロープブレーク

ゲイというひととおりでない人生を送ってきた人たちに囲まれたからなのか、OLにしては感情の描写が子供っぽ過ぎるような気がしてならない。そこが惜しい。主要キャストの中で唯一の女性だからこそ、不細工でいいから大人の女性らしさをもう少し感じさせて欲しかった。そうすればヨーロッパ映画を超える日本映画になったのに。

では、どうすればよかったのか?柴崎コウはもっと大胆に脱げばよかったのか? そうかもしれない。しかしそれだけでは足りない気がする。なんだろう?今の日本では実際は現実の男も女も悪い意味で子供のまま歳を重ねているばかりで、映画はそれを正確にすくい取っただけな気もしてきた。そう思うと、辛いよなあ。田中泯(彼はあの暗黒舞踏土方巽の直系だ)の存在感は、きっと映写機に撮られたらもっと子供っぽいであろう一会社員の自分を気づかせて何だか見終わったあととても寂しくなってしまったのだ。

(評価:★4)

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