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[コメント] そして、ひと粒のひかり(2003/米=コロンビア)

コメンテータの皆さんが概して★5を付けない気持ちがわかる。
MM

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







素晴らしい演出と演技、そしてストーリー展開も申し分ない。 マリア役の女優は美しく、主演女優賞を獲るに値するし、 監督は運び屋になった一人の少女の心情を見事に描ききった。

しかし、遠い南米の小国の物語(製作はHBOだけど)に、共感したり人生観を変えられたりしないということだ。 日本の貧困といってもコロンビアのそれとは全くレベルが違うし、麻薬が身近な国家でもない。 だから、まるで一つの出来の良い悪夢が目の前で展開されたような気分だっただけだ。

例えこの映画を観ても、「最低賃金でも仕事は辞めちゃだめ」とか「運び屋は危険だからやっちゃいけない」とか思わない、悲しいことに。 ただ、「日本に生まれてよかった・・」としか思わない、悲しいことに。 全ては貧困が引き起こしたことだと思うと、それ以上の思考は止まってしまうのだ。

マリアはラストでお腹の子と共にアメリカに残る。 貧困の連鎖を止めるにはコロンビアから出ることだった。 移民たちは最初からそうしている、より良い生活を求めて、自国を出る。 それ以上でもそれ以下でもないのだ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ひゅうちゃん ねこすけ[*]

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