[コメント] シン・シティ(2005/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
後で聞いた話によると何やらカット割まで原作と同じにされたそうで。一応観客の立場から言わせてもらうと、
そんなことに全く意味はありません。
そのような志を作り手が持つ事が悪いとは言いませんがこの映画は明らかにそこで終わってしまっている。観客の方を全く向いていない。だから自分らがイメージするものが出来た時点でそれが観客にどう見えるのか、自分たちが原作で感じたことを観客に伝えることが出来ているのか推敲しているようにはとても思えませんでした。実際ミッキー・ロークの車拷問のシーンなどでは笑いすら起きていましたし、そもそも原作を知らないオレとしては議員の息子が黄色で出てきた時点でこの映画をどう受け取っていいものかわからなくなってしまうんです。
話そのものはありきたりというかかなり分かりやすい話です。テーマもはっきりしている。にも関わらず製作側が、それも新人ならいざ知らずロバート・ロドリゲス・クエンティン・タランティーノという二人が雁首そろえて得意であるはずのバイオレンスシーンをまるでおもちゃのように扱って挙句に笑われるべきところではないところで笑われるようなシーンを撮るのは非常にまずいんじゃないんでしょうか。
タランティーノはその昔『パルプ・フィクション』という名の名作を撮りましたが、少なくとも今回は今作品だけでなく原作までも「パルプ・フィクション」に貶めてしまったような気がします。この映画を観て原作を読もうとはとても思いませんでしたから。
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