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[コメント] 風立ちぬ(1976/日)

山口百恵には陰ある役が似合いますね。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 堀辰雄の小説の二度目の映画化で、三浦友和と山口百恵のゴールデン・コンビが受けて1976年邦画興行成績6位。

 山口百恵を主役にすえた映画は結構多く作られているが、本作はその中でも成功作の一つだろう。

 陰のある山口百恵は映画向きなのだが、今ひとつ滑舌が良くなく、その陰の部分を巧く活かせない事が多いのだが、ここでは基本的に登場が少なく、演技よりもその姿を見せることを主軸としており、劇中でもアイドル化されているのが成功の秘訣だったのか?

 むしろここで活き活きしているのが彼女を取り巻く年若い学生達の方で、若い彼らの暴走や、一人ずつ戦争に取られて欠けていくメンバーと、残りの人達の寂しさが良く現れていた(学生メンバーの中には松平健もいたという…気付かなかった)。

 銃後を描いた作品として観るべきかな?少なくとも、似た傾向を持つ『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004)よりは拒否感が出なかったから、それだけでも評価すべきかも知れない。

(評価:★3)

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