[コメント] 酔いどれ天使(1948/日)
黒沢の言う「演出窯変」。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ロケーション映画の見本のような作品。当時の闇市には、いろんな所から流れてきた(一流ホテル、GHQの施設など)「残飯汁」なるものが売られていたそうな。なんでもいい、とにかく腹に入れなければ生きてゆけなかった時代の、そんな「ゴッタ煮」的パワーが画面から飛び出してくる。三船は黒沢の豪快な男性的部分を体現し、一方志村喬は彼の繊細な思索的な部分を体現した役者だが、それがこの三者のコンビ第一作であるこの作品で、見事に完成されている。三船はこの作品出演の後、街なかを歩いていて、本物のヤクザに握手を求められたそうであるが、私は彼の熱演は勿論のこと、ラスト近くの仙石規子と志村喬のやり取りと、そして最後の最後の志村が久我美子の少女に怒ったように言ったセリフこそ、黒沢がこの作品で言いたかったテーマであると信じる。
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