人と人との間の空間的な必要距離が大きくなりすぎてしまった個人の時代、心細い灯りを頼りに、人が肩寄せあって集まってくることをきっかけに、つい心情を打ち明けていってしまうという設定がミソ。画面や音楽の華やかさがないのに、貧相な雰囲気がしないのは素晴らしいと思うが、エピソードが特定の人物に都合よい括りになっているのがどうかと思う。あのバーに田口トモロヲが来ていたら、ちょっとサイレンナイトどころじゃないでしょう？　彼がいないことによって醸成されてた雰囲気なんだって思うとちょっとげんなりなわけです。　

余談ですが、この時分停電で一番困るのは、明りよりもきっと暖房。