離婚を決意した夫婦が財産である家を巡って争うブラックコメディ｡

夫婦の微妙なすれ違いの連続から溝が深まり､夫が病院に運ばれた出来事をきっかけにローズ夫妻は離婚を決意｡しかし､邸宅を巡ってお互いに主張を譲らないため､邸宅を手に入れるため､相手に邸宅を諦めさせるよう様々な嫌がらせを繰り広げるという展開｡

バーバラとオリバーが家を巡って繰り広げる戦いはなかなか面白い｡

ただ､夫婦の争いの要点を家に求めるのはストーリー的にいささか矛盾点が生じ､違和感が残る｡問題点のひとつはオリバーがなぜ邸宅の所有権にこだわるのかという点｡もうひとつはバーバラが家の所有権にこだわっているのに､家を平気で壊している点｡

一つ目はそもそも邸宅の物件を選んだのも内装をしたのもバーバラなわけで､オリバーは家を選ぶ際にも内装を決める際にも特に口出ししていたわけではないのだから､家の所有にこだわる理由が見当たらない｡結局､家の所有に固執せず､自分で選んで買った物や自分に所有権利がある家具などの所有権だけ求めればよかったのではないのかと思う｡

そしてバーバラが家の所有にこだわっているのに家を平気で壊している点だが､あれだけ家を目茶目茶にしたら､手に入れても前のような状態ではないのだから､所有権利を手に入れるメリットが感じられない｡それに､例え自分の資金で直すことになっても､完全に直るまではかなり時間がかかるわけだし･･･｡

キャラ的には､バーバラの反撃はいつも暴力的なのに対して､オリバーの反撃は常に地味で子供っぽいところが妙に情けなさを漂わせてよかった｡