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[コメント] もし、あなたなら〜6つの視線(2003/韓国)

ひとつのテーマに対して、高いレベルで各者各様の個性的表現が楽しめると言う、あたりまえのようでいて実は難しい課題をクリアしているという点でオムニバス映画として成功している。さらに、各作家によってあぶりだされる皮肉の効いた毒気に圧倒される。
ぽんしゅう

●「彼女の重さ」・・・奇想天外な設定に見えながら、世の中の本音をチクチクと突いていく語り口が見事。監督自身による捨て身のオチが唐突ながら実にユーモラスで説得力大有り。(4点)

●「その男、事情あり」・・・子供の躾の延長線上に、犯罪が見え隠れするという巧みなサスペンス。目的と感情を失ったとき、厳しさと寛容さの境界はぼやけて両者は接点をもつ。(4点)

●「大陸横断」・・・健常者の中にも卑屈な者とそうでない者がいるように障害者の中にも当然両者は存在する。主人公が障害者ゆえに突飛な行動をとったのか、ただの卑屈な障害者なのかが曖昧。(3点)

●「神秘的な英語の国」・・・タガの外れたコンプレックスからの解放が薄気味悪い。欧米への追随とという漠然たる不安が、ビジョンなき子育てに象徴される姿は日本も同じ。(3点)

●「顔の価値」・・・アプローチが浅く「顔」を持ってして何を言わんとしているのか不明。アイディアも古臭く出来損ないのホラー映画にしか見えない。(2点)

●「N.E.P.A.L」・・・再現フィルムだからセピアなのではない。異国で生活せざるを得ないネパール人にとっても、大都市の雑多性の中で日々流される韓国人にも、そこはすでに色を失った世界なのだろう。(4点)

(評価:★4)

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