[コメント] キング・コング(2005/ニュージーランド=米)
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相変わらずカタカナ表現や傍点を多用しまくる某氏の字幕なんてもう気にならない。それくらい没頭できる。
RKOでアレを撮影中だというフェイ・レイのくだりは思わずニヤリとしてしまう。このご時世、原住民の扱いをどうするのか気になっていたが、わけのわからぬ人間とも思えぬ怪しげな連中になっていた(それでもニューヨークでしっかりとフォロー)。他にも島での色々な出来事といい、さすがホラー畑のピーター・ジャクソン監督、やりたい放題です。あの『ブレインデッド』でも見せたように、やり過ぎなぐらいに徹底的にやってくれてもうお腹いっぱい大満足。監督のサービス精神が良い方向に作用した。
あの口をへの字に曲げたコングのツンデレぶり(と言っていいのか!?)には笑ってしまうし、そのコングを演じるだけでなく顔出しの出番が圧倒的に増えたアンディ・サーキスの船員キャラもいい味を出している。最期も壮絶だったしね(さすが「ワーム保存会」設立者(笑)のPJ)。彼だけでなくすべてのキャラクタがはまり役でとてもよかった。
ラストのエンパイアステートでのコングと複葉機のバトルは、その複葉機の登場の仕方といい(あー、ついに来ちゃったよと思う)、スリリングなアングルといい、とんでもなく興奮する。
ただ、原作に忠実なあまりに首をかしげる点が無いとはいえない。最後にエンパイアステートに登るという行為は、それまでにコングとアンの交流を描くか描かないかで意味が違ってくる。それを踏まえた上で、ラストにデナムの言う神話の引用は33年版の交流の無かったコングならではなので、オリジナルに忠実であることを知らなければ誤解を招きかねないのではないか。他にもコングとアンとドリスコルの三角関係をもっと描いて、ラストの攻防に使えなかったかな?という気もする。33年版に対しては愛情が溢れていたが、コングとの交流を描いた76年版の研究は怠ったのかもしれず。まあ、それでも存分におつりが来る。監督の言う「A story about love」、存分に楽しみましたぞ!そうそう、見終わった後には改めて33年版コングを観るのも忘れずにね。
ところで監督の次回作は『ラブリー・ボーン』とのこと。『乙女の祈り』のようなテイストになるのか、はたまた…。今から楽しみである。
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