[コメント] 悪い奴ほどよく眠る(1960/日)
小役人・和田(藤原釜足)が語る「役人のエートス」が妙に印象に残る。ここで描かれている社会の病理は40年後の現代日本にそのまま持ち越されている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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勧善懲悪の世直し劇だと思って見てるとビックリ。悪は徹底して悪として描かれ、しかもびくともしない。なんという後味の悪さ。。この苦い後味を通じて黒澤は社会の巨悪への怒りを喚起しようとしたのでしょうか。
ちょっと気になったのが主人公・西(三船敏郎)の描き方。彼の行動は、社会の悪に対する義憤というよりも、私的な怨恨に基づいている。観客としては、主人公に感情移入しながら観るのが自然なわけで、その主人公がいつのまにか”犠牲者”として客観的に眺める対象になってしまうのは、なかなか受け入れにくいところ。狙いなのかもしれないけど、ストレートに作品の主張を受けとめるには、むしろ障害になっているような気がします。
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