[コメント] 天国と地獄(1963/日)
蜘蛛の糸を巡り、天国を争い、天国を邪魔して地獄に引きずり込もうとする人間の醜悪さの縮図。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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まず、見終わって始めに思った事、ぐあっ、コレが横浜か?、って事。
私は学校この辺りだったから良くこの近辺に出没していたが、60年頃の横浜 (特に黄金町、伊勢崎町界隈)、がこんな麻薬患者などが地獄の餓鬼の様に這いまわる場所があり、酒場では狂乱の様な宴が繰り広げられているなんて思いもしなかった。
さて、この映画。天国とは三船が3000万の小切手片手にコレから昇って行こうとした世界。
3000万の小切手とは、それを伝っていけば天国につけると言う蜘蛛の糸。
そして、犯人はその地獄から這い回る餓鬼の様に蜘蛛の糸を断ち切ろうとする悪意の塊。
主人公が生きていた世界、ソレは醜い権力争いで一つの食い物を争う餓鬼の様に奔走する人間の世界。
一つの天国を争う人間の世界、天国へ向かう人間を何とか自分のいる地獄へ引き込もうとする地獄の世界、人間の醜悪さの縮図がコレで見れる。
ラスト、三船演じる権藤は、その今まで自分がいた世界に気付いてしまったに違いない。
しかもそれが自分を中心を回っていた事に。
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