[コメント] プルーフ・オブ・マイ・ライフ(2005/米)
人生における自分の存在証明と数式の証明、ダブルミーニングの「Ploof」。天才と何とかは紙一重とは言うけれど…。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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父の事を心から尊敬しているキャサリン(グウィネス・パルトロウ)の口から、度々発せられる「今も」「今頃」。
いずれも父に関連して出てくる。「今も」天才だ。「今も」偉大だ。それは、誰かが彼女の父を過去の人扱いした時に発せられる。ただ、そのせいで、自分が導いた数式の証明が自分の功績であるという証明を否定する反証になってしまう。
一方、「今頃」は、父の周囲の人々に対して発せられる。葬式に居合わせた人全員に対して「今頃」になって。父の介護を全くしなかったくせに帰ってきた姉に「今頃」になって。この言葉は今現在の父を尊敬している人は誰もいない、自分は父の犠牲になった、様々な現実に対する彼女の不満の表れである。
「時々閃くけれど、時々不安定なの」
そう言う彼女は、ラストでようやく父から解放されたように見受けられる。サラッと描かれてはいるが、非常に重い作品。
心の病とはそういうデリケートな題材なんだ。
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