彼女が世界中に恐れられる殺戮兵器であったとして、そのために自分の身も危なくなるとしても、君は彼女を愛せるか？

シュウジは愛した。自分が人殺しの道具であることに苦悩するちせを支え、彼女の苦しみを分かち合おうとした。その男らしさには清々しさを覚えるほどだし、一方のちせも、シュウジを巻き込みたくないという思いに最後まで貫かれていて、いじらしさに胸を打たれる。

こう言うと人には青臭いと笑われてしまうかもしれないが、二人が互いを思いやり、支えあっていこうとする姿にはいたく感動した。誰もが自分のことしか考えていないこの時代にこそ、こういった作品が必要なんじゃないか、真面目な話。

まあ、映画としては決して完成度が高いわけではないし、（作り手の趣味なのか大人の事情によるものか）描写が自衛隊や戦闘行為寄りになっているのも若干鼻につくのではあるが、前田亜季がとてもいいので若干おまけで★4。

まあ、確かに原作とは雰囲気がだいぶ違うのだけれど（シュウジ役が窪塚俊介では格好よすぎるだろ…）、まあこれはこれでありだと思った。