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[コメント] エリ・エリ・レマ・サバクタニ(2005/日)

ホースをひゅんひゅん回したり、ボウイングをアンプで歪ませる様を捉えた長回しなど、執拗な描写は全て「音」という主題を視覚化させるため。その最たるものが宮崎あおいに着装され、その視覚を奪う黒い帯なのだ。こと主題の提示とその処理の仕方に関しては青山真治作品中随一の出来といっていい。
赤い戦車

何よりシネスコ画面を縦横無尽に使いこなすたむらまさきの撮影ときたら、全く見事なものではないか。冒頭シーンの横移動から常に映画の呼吸が根付いており、抗いがたい心地よさがある。

演奏場面における編集・画面処理の遊び心も、クライマックスに相応しいテンションを形作るものとして肯定的に捉えたい。個人的には現時点での最高作。

(評価:★4)

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