[コメント] デルス・ウザーラ(1975/露)
尊敬、友情、後悔、深い悲しみ・・・複雑な感情が入り混じったラストシーンに胸が一杯になった。デルスとの出逢いに喜びを感じ、別れにこれ程まで悲しみを感じるのは、彼が古き良き日本人の面影を持っているからかもしれない。黒澤入魂の一作。
観終わった後、数年前に観たある映画を思い出した。北野武の初プロデュース作品『ほしをつぐもの』である。
ラストの締め括り方はかなり違うが、たけし扮する森のおじさん(猟師)が、東京へ帰ろうと疎開先を飛び出して迷子になった子供達を救うというストーリーは、本作と非常に似通っている。それ以外にも、大自然への畏怖と神秘的な生命の鼓動が同時に存在する森の描写、森に住む男の素朴さと優しさ、死への恐怖と生への執着、両者に通じる点は幾つもある。
もしかすると、(たけしは何も語っていないが、)『ほしをつぐもの』は、本作『デルス・ウザーラ』へのオマージュだったのではないだろうか? 黒澤から北野へ。2つの作品には、日本映画界の系譜の様なものが伺える気がした。
そういえば、デルスの身のこなしや人懐っこい表情、誰かに似ているとは思いませんか?
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