[コメント] ウォーク・ザ・ライン 君につづく道(2005/米)
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物語自体はありがちなもので単純だし、いかにもアメリカ人好みです。という部分はちょっと引くのだが、この手の作品で一番重要なのはキャラのはまり具合。これに関しては文句なし。
最初の問題は、フェニックス、ウィザースプーンのどちらも比較的苦手なキャラだったと言うことなのだが…
これまでフェニックスは大根だとばかり思っていたけど、決してそんなことはなかった。単にこの人は表情に乏しいだけで演技の質が悪い訳ではない。普段無表情なのに、時折キレるあたりの描写は、なるほどこの人だからこそ映える描写なのだな。演技の幅は狭いけど、はまれば見事な演技をしてくれる。本作ほどフェニックスを見事に使った作品は無かろう。一方ウィザースプーンは、これまで軽めの作品ばかりしか観てなかったし、それもほとんど「くだらない」で済ませてしまったものばかりだから、こちらも全然期待してなかったのだけど、こちらも見事。歌っている時の満ち足りた顔が、舞台を降りた途端疲れ切った表情に変わり、それでも一人で生きていくことを自分に課し、男とは縁を切って生きていこうとする硬質さを併せ持つ。そんな彼女がどうしようもなくなったキャッシュに徐々にほだされていく過程…こんなに芸達者だったとはねえ。初めて知ったよ。
ところで本作ではフェニックス、ウィザースプーン共に肉声で歌に挑戦してるのだが、これ又見事。フェニックスは最初の内は力入りすぎっぽいけど、物語進むに連れてその歌も力強い者へと変わっていく。これは多分キャッシュ本人がそう言う歌い方の変遷をしていたからなんだろう。
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