[コメント] ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005/米)
望むと望まざるに関わらず、暴力を「血」として内包しつつ綿々と続く世界。しかもそれを暗黙の内に了解し「忘却」こそが鍵になるというやるせない諦観。継承としての"History"の提示はノーカントリーの後に置かれるべき昏く真摯な現代性を持ち得るが、主体の出自が特異すぎて普遍的な寓意を獲得出来ず、だからこその"A History"であるのか、と、大上段から小手を食らったような拍子抜け。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ただし隅から隅まで理詰めで構築された演出と寒々しいハワード・ショアの楽曲は涎がでるほど巧い。悪党が暴力に酔っておらず、倦んでる感じが素晴らしい。冒頭の二人組の暑さにうだった気だるさ。モーテンセンを仕留め損なった配下に対するハートの溜め息。さすがのハリスの退屈の所作。
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