[コメント] かもめ食堂(2005/日)
前二作の失敗で学んだ荻上直子は、遂に独特の世界観を構築する事に成功している。['06.5.6京都シネマ]
決定的な違いは、前二作が騒々しく無理矢理笑わせようとしていたのに対して、本作は実に静かで、思わず“クスッ”と笑ってしまうシュールな演出。
店内(かもめ食堂)は暖かくて優しくて永遠を醸し出したような雰囲気でありながら、近藤達郎の寂しげな音楽や、トゥオモ・ヴィルタネンによるヘルシンキの街並を切り取った映像はどことなく刹那的。
永遠と刹那は、表裏一体なのかも知れないと思わせる。
主演の小林聡美の演技は勿論良いに決まってるが、それよりも神々しいばかりに美しい事にビックリ。
今まで見た作品の中で、最も美しいのではないだろうか。
片桐はいりも、ゲテモノ的役割でキャスティングされる事が多い中、彼女の本当の良さを活かした役柄。
もたいまさこは、個性が強い上にハマル役がなかなか無いという使いづらい女優だが、『やっぱり猫が好き』のかや乃役以来のハマり役では?
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