サンバと、コンニャクと、侵略される街の関連性がいまいちどころかいま百もいま千も掴めない。いくらそれぞれの素材が魅力的だろうと、ベクトルがバラバラではちっとも乗れないのだ。そして何より、ホラーを演出するなら徹底したホラー画面を見せてほしいし（風間くんのママだけが妙に浮いている）、サンバを語るなら本場に学んだ本物のサンバの魅力を提供するべきだろう。ショボい一本調子のカラオケのようなサンバでは、拉致された春日部市民よろしく失望の表情でいやいや腰を振らされるだけだ。対抗する美女の名前が『ジャクリーン・フィニィ』なんて、よっぽどのＳＦファンしか判らないネタだし…。

とりあえず、ファミリーアニメを進化させた「クレしん」ブランドをナメるなと言っておこう。さもなくば、『３分ポッキリ』のようにただの凡作子供アニメに戻るか。答えはふたつに一つだ。

蛇足。池田秀一のラスボスは観ていて非常に興を殺がれた。