[コメント] 青春の夢いまいづこ(1932/日)
小津作品の男はなにかと平手打ちの連打を繰り出す。時代が男の暴力に寛容だったからなのか、小津の猟奇的な側面をみるべきなのか、私には判断がつかない。そのフォームはピッチングマシーンのような機械的反復を特徴としており、典型的なサイレント仕様であると同時にブレッソンを想起させる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ここでの江川宇礼雄は斎藤達雄を連打することで、ある種漫画的に青春時代の回復を図っているばかりで、『風の中の牝鶏』の佐野周二、『宗方姉妹』の山村聰、『浮草』の中村鴈治郎らが背負った凄惨さは宿していない(殴る相手も男だし)が、フォームは同じである。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。