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[コメント] やわらかい生活(2005/日)

廣木隆一監督は、「理想としての」ではない等身大の女性を撮らせれば他の追随を許さぬ実力を発揮するのだが、そこが本作ではネックになっている。寺島しのぶの醜悪さを形容する言葉が自分には見当たらない。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







同じ寺島主演の『ヴァイブレータ』にも同じような感触をもってはいるのだが、やけっぱちで男に都合のいい女のふりをしたり、男の好意を無にしたり、家事をすべて男に任せてねぎらいの一言もかけない女。こいつは一体何様だ。そうやって幾人ものセックス・フレンドを作っていくヒロインは正直張り倒したくなる。35歳独身であってももっと魅力的な女性は山ほどいるだろう。

そして、彼女との間に暖かい雰囲気をつくっているのはまたしても相手の男なのだ。もういい加減にして欲しい。これでは、男たちが堰を切ったように離れてゆくラストも至極当然と言えるだろう。

もちろん、その原因には彼女の持病である躁鬱症がある。これから逃れるのは容易なことではないだろう。しかし、現在ではかなり有効な坑鬱剤が開発されており、すべてを病気のせいにするのも含めて、彼女自身の傲慢さが男たちを去らせているといっても言い過ぎには当るまい。廣木&寺島コンビの映画は、これを最後に自分は鬼門と思って近づかない方がよさそうだ。

余談。蒲田のJR線路沿いにあるタイヤ公園は、一度は訪れてみたかった懐かしい場所ではあった。東海道線の車窓から2,3秒眺めることしかできなかった憧れの場所だ。寺島はああした蒲田の「名所」を写真にとり、サイトにコメントとともに掲載していたのだが、彼女が妻夫木をそこに連れていってやり、彼の幼い頃からの憧憬を満足させてやるシーンは、このお話の中でもほっと一息つけるシーンではあった。

(評価:★2)

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