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[コメント] 東京物語(1953/日)

先生、判ってますよそれぐらい。コメントに困る作品だ。/一部追記
スパルタのキツネ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







こと親孝行に関しては、それが出来ないのなら、それをしようと思わない私の感覚からすると「私は親不孝もんです」で割り切ってしまっていいと思う。何も悩むことなんてない。上辺だけで行動に移さない、行動に移しても中は空洞。本作を観たからといってこれに大差はないでしょう? 親孝行を!と言うだけなら簡単だけど、私には抵抗がある(決して大事に思ってないわけではない)。 正直、世間の評判のように感動することが出来ない。

じいさん(笠智衆)とばあさん(東山千栄子)も半分それを承知して上京してるようだし、今の我々に向けた作品と言うよりも、我々が爺さん婆さんになってから覚悟しときなさい、という作品としたほうが私はすんなり理解が出来る。

以上は率直な気持ちを書いてしまいましたが、とにかく、どうにもならないものはしょうがない。個人的には、親との関係について、人の良い私の友人がかつてこんな私に言った言葉 「年に一回実家に帰るとして、あと何回親に会えるのだろう?」のほうが訴えるものがあった。

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以上のコメントを書いたあとで気がついたこと・・・

最近の『北京バイオリン』『みなさん、さようなら』『ビッグ・フィッシュ』も親子を描いた映画ではあるが、いずれも大好きな作品として当サイトでコメントをしてきた。本作との違いを自分の中で整理してみた。

これら3作と本作との大きな違いは、親離れした子供の親に対する感情の変化を描いている点。一方、本作は子供の感情が何ら変わることなくラストを迎えている。本作は親不孝者の私が、仮想現実として映画に求めているものを諭された作品と言えそうです。

(評価:★3)

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