[コメント] 鍵がない(2005/日)
なくした物は、鍵だけじゃなかった。見つけたい物も、鍵だけじゃない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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大森南朋の“普通力”はやっぱりすごい。彼がスクリーンに登場するだけでどんな映画も“普通”になってしまう。この人の“どこにでもいる”感は何なんだろう。『殺し屋1』でさえ、危うく「こーゆう人っていそうだよね」とか言いそうになったもの。
映画は「人にやさしい都市伝説」といった感じでたいへん心地よい時間だった。脇役たちとつぐみをあまり絡ませない適度なサジ加減はこの監督独特のものだろう。
ラスト、鍵を見つけた主人公が朝日を浴びるシーンが実に鮮やか。「明けない夜はないってさ」って誰か言ってたけど、「家に帰って寝たい/夜明けって気持ちいい」という2つの感覚は極めて普遍性が高くて、ほとんど下北周辺で完結する小さな物語にも関わらず、この手の映画にありがちな「間口の狭さ」は感じられなかった。秀作と思う。
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