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[コメント] リオの男(1963/仏)

この宝探しの冒険のラストシーンって、恐くないですか?
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







[ラストシーンに言及しています。―今なら引き返せますよ(笑い)]

ラストシーンは次のようだ。

文明は未踏のジャングルを、木々をなぎ倒し開拓していく。埋もれた秘宝、宝探しというロマンが、ブルドーザーのひと押しで消えていくのだ。

本作は全編、次から次へとハチャメチャに話が展開していく。場面も刻々変わっていく。 それは日進月歩の文明社会、分かり易く言えば足早に歩く都会の人の流れと同じだ。

だから本作は、宝探しロマンの終焉を描いた作品なのかもしれない。

そのブルで作った広い道を、更にブルが大型ダンプが列になって進んでいく。そしてその道の端っこに並んで佇むインディアンの家族たちのシーンが1カット入る。早い流れの中の一瞬の1カットシーン。

特に入れる必要のなかったこの1カットを、何故ブロカは入れたのだろう?

このシーンを見た時私は笑えて来た。こいつら自分の家がなくなるのに、ボケーッと見てやがる。バカな奴らだと。

しかし、フト立ち止まってふり返った時,考えた。彼らは今後家をどうするのだろう?とか、その前に、ブルの前で抗議なんかするのだろうか、そうすれば・・・?とか考えた。

そう考えた時に、このシーンは怖くなった。

あえてマイノリティのことは考えない。小さい事には目をつぶって、次から次へと前へ前へと進んでいく文明社会。

こんなシーンがさらっと入っていること自体が、恐くないですか?

本作は全体で文明社会批判になっているのでは?なんて、突拍子もないコメントだとは思うが、間違いもなく、ブロカならやりそうにも思えるのだ。

(評価:★4)

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